この想いを君に…
「…あんまり、寝てないんじゃない?」

その問い掛けにあたしは頷く。

多分、いつの間にか寝ていた、といっても1時は過ぎていたはずだから。

しかも今は完全に覚醒してしまったから。

寝られない…

「…僕ももう、寝られないや」

悠斗が苦笑いをする。

「起きよっと」

ベッドから起きた悠斗は大きく伸びをしてから降りた。

そして、そっと窓を開ける。

立ち並ぶビルの間から綺麗な満月が見えた。

「今日、満月だったんだ」

悠斗は月を指差して嬉しそうに笑った。
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