見えない罪と、月
「よし、お前! 今すぐその男を殺せ!」


セリルは目を見開く。ヒジリはイレイスに雇われて来たんだ、と気付いたからだ。

しかし当の本人であるヒジリは溜息を吐いて一言。


「お前達に雇われてきたつもりはないんだが」

「じゃあ……!」

「悪いがお嬢ちゃんの願いを聞きに来たつもりもない」


イレイス、セリル共に呆然とする。

セリルに至っては、自分が女じゃないと反論する事でさえ忘れているようだ。

では一体ヒジリは何の為に此処に現れたと言うのだろうか?

それを真先に聞いたのはセリルであった。


「じゃあ何の為に……?」

「決まっている。依頼があったからだ……可笑しいな。標的は確か此処に……」
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