そして海の思い出を胸に

時々、涼の影にいる僚二が姿を表わす。

その度に、私は涼が見れなくなる。

自分の事を忘れないように僚二が見ているんじゃないか……なんて、一瞬、錯覚してしまう。



でも。
すぐ思い直す。



ううん、違う。

僚二はそんな人じゃない。

自分の事より、私の事を考えてくれる人だった。


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