そして海の思い出を胸に
みんなボートのあった岸から入り江の対岸まで行って、その間の海底を見たりして楽しんでるらしい……と希未は言って、私達も対岸へ向かっていた。



「うわっ、きれい♪」

真実は、はしゃぎながら言った。



岸を出てすぐは、凄く不安そうな顔をしてたくせにね。

そう思った時だった。



急に波が来て、2つのボートが大きく揺れた。

そして。



ガツン

そんな音がして、『あっ』と思った時には、もう遅かった。



バランスを崩したボート同士がぶつかり、私達は海に投げ込まれてしまった。


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