そして海の思い出を胸に
2日振りの涼の声、涼の表情、涼の心遣いに、私……再び、胸が締め付けられる。
ううん、ダメ。
私、慌てて首を振る。
そうでもしなきゃ、自分の気持ちがコントロール出来なくなりそうだった。
涼は僚二じゃないんだよ。
「どうした?」
「ううん、なんでもない。……あっ、これ」
そう言って、涼にジャケットを差し出す。
「ありがとう」
「やけに今日は素直だな?」
涼は苦笑いをして受け取った。