そして海の思い出を胸に


結局、数日間の捜索で僚二は見付からず、捜索は打ち切られた。

あの時、お兄ちゃんがモーターボートでわざわざ来たのは、沖が震源の地震の影響で津波注意報が出ていたのに、海に居て気付かない私達を迎えに来たからだった。

地理的には、波に飲み込まれて沖合いへ流されると、海流の関係で何処で発見されるか分からない、と説明された。





──ねぇ、僚二?

  あなたは今、

  何処に居るの?──



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