そして海の思い出を胸に


私がモーターボートに乗ったのを見て、ホッ、としたような僚二の笑顔。



──それが、私が見た、最後の僚二。──



「……や、だ……」



「美雪」

お兄ちゃんが、ギュッ、と私を抱きしめた。



「いやーーーっ!!! 僚二ぃ!!!」



私はただ海に向かって、叫ぶ事しか出来なかった……。



< 160 / 247 >

この作品をシェア

pagetop