遠距離恋愛-メールで繋ぐキモチ-
高校三年の春休み。
電車で片道2時間かかる場所に、恋人の陸が引っ越した。
この時から、離れた距離に寂しさばかりが募る、遠距離恋愛が始まった。
この時から……陸の口癖が、『ごめんな』になった。
陸が悪いんじゃないよ。
そう思うのに……そう言えないあたしは、可愛くない。
陸を困らせてるだけだね。
『ごめんね』のメールを見つめると自然と溢れる涙が、返信の邪魔をする。
20XX/03/28 16:15
To.陸斗
Sub.
――――――――――――
謝らないでよ、陸のばか。
すぐ会えるんだから
全然大丈夫だもん(>□<)
――――――――――――
20XX/03/28 16:23
From.陸斗
Sub.
――――――――――――
頼もしいな。
じゃあ俺が寂しくなったら
すぐ会いに来いよな。
――――――――――――
短文のメールに、強がりのメール。
どっちも隠してるモノが『寂しさ』だって事に、勘のいい陸はきっと気付いてるよね。
騙されてくれて、ありがとう。