禁断トライアングル

恋逃避

「俺、ちょっと出かけるから。2人で仲良くな!」


思ってねぇよ、そんなこと。


自分が、醜い。


「大きなお世話だよ!……ま、行ってらっしゃい」


「おう」



「やっべ……」


真結に気づかれないようにさりげなく結弥を盗み見たら


瞳を潤ませて、こっちを見てた。


目が、何故かすっげぇ悲しげで、子犬みたいで、抑えきれなくなりそうだった。


あのまま家に閉じこもってたら


真結を容赦なく傷つけてたかも。


そんでもって、結弥のことも。


彼女の兄貴に抱かれるなんて


最悪、だろ?


深く深く、傷つくに決まってる。


家から逃げ出して、ほんと良かった。
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