『短編』思惑〜オモワク〜
「ねえ京香、その時も結衣ちゃんから連絡あったんじゃない?『助けて』って……京香はずっと結衣ちゃんの相談に乗ってたんだもの、わかるはずよ?
今回も結衣ちゃんは死ぬつもりなんかなかった、そうでしょう?」
「敦子、考え過ぎよ。それに……」
「それに?」
「今更何を言っても、結衣ちゃんは戻って来ないわ……聡さんだって傷つくことになるかも知れないのよ」
「聡が傷ついてるのは、わたしもよくわかるわ。だからこそ、本当のことを知りたいのよ」
敦子はポケットの中から自分の携帯電話を取り出した。
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