『短編』思惑〜オモワク〜
 

「ねえ京香、その時も結衣ちゃんから連絡あったんじゃない?『助けて』って……京香はずっと結衣ちゃんの相談に乗ってたんだもの、わかるはずよ?
今回も結衣ちゃんは死ぬつもりなんかなかった、そうでしょう?」


「敦子、考え過ぎよ。それに……」


「それに?」


「今更何を言っても、結衣ちゃんは戻って来ないわ……聡さんだって傷つくことになるかも知れないのよ」


「聡が傷ついてるのは、わたしもよくわかるわ。だからこそ、本当のことを知りたいのよ」


敦子はポケットの中から自分の携帯電話を取り出した。

< 43 / 61 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop