つむぐ、

空に向かって

人差し指で

願い事を描いた。


たった一つだけの、
重過ぎるそれに

上からあたしの手を重ねた。


爪が取れちゃうよって言われても

涙なんて出ないよ

心配するフリくらい解るよ。


鏡に写ったのは、

出たがっている人だった

もう居場所は無いのに…

そう、教えてあげてよ…誰か。


(壁の色)
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