Which?

高校生活。





ギリギリで、何とか先生が来る前に
教室を探し出し、既に席に着いている子たちに混じる事ができた。


あたしは
1年B組

まみちゃんは
1年F組

…たっくん、は
1年D組



同じクラスになれなかった事で
あたしは少しショックを受けながら席を探した。



「上原…う…、あ、あった。」


あたしの席は、
廊下側の列の一番後ろだった。


ラッキー、と思いながら席に着いた途端、


「あ、上原さんっ?」

と、後ろを振り返り
若干ギャルっぽい可愛い子が声を掛けてきてくれた。


「あ…はい。えと、荒井…さん?」

前に書いてあった名前の札を呼んであたしも返事を返した。


「そうなんだー。なにちゃん?」


荒井さんは相変わらずにこにこした可愛らしい顔で話を続けてくる。


「えっ、と…未来!みくですっ。」

極度の人見知りな為、少々緊張しながらも
友達をつくるため、頑張って声を発した。

「未来ちゃんかー。あたしはねー、萌だよー。
 よろしくねー。」


「萌…ちゃん。よろしくね。」

「あー何か堅苦しいし萌とかもっちゃんでいいし、普通に喋ってよー!」

萌ちゃん…
もとい萌は、けらけら笑いながら続ける。


「あ、あたしもみくとかで全然いいよ。」


すると萌の黒いラインで囲まれた大きくて可愛い目が
くるくると動いて、

「じゃあみくみく!」


…可愛い子なんだな。


あたしはふとそう思った。


「みくみくー?そんなの言われた事ないよー。」




いい子でよかった。

そう思いながら先生が来るまでのしばらくの自由な時間を
萌とお喋りして潰していた。



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