死神彼女
俺の目の前にあったのは現実的には考えられない光景だった。
開いた口が塞がらないとはこういう事を言うのか。
考えたくもないがきっと今の俺の顔はアホ面だ。
だか今の状況では仕方がないだろう。
目の前には
さき程の謎の女が申し訳なさそうに、黒い、大きな翼を広げて宙に浮いていたのだから。
情けない話だが俺の記憶はここまでだ。
気づけば、俺はソファーの上に横になり…そして謎の女が心配そうに俺を覗きこんでいた。
「………」
しばらくの沈黙にしびれをきかせたのか沈黙は謎の女のこの一言によって破られたのだった。
「あたしが本当に死神だって事、分かってくれましたか?」