―Destiny―
素っ気無い別れ方……。
あたしには、大将が、奥さんとお母さんが顔を合わせないようにしているみたいにも見えた。
「お母さん……?」
お母さんは奥さんの方をじっと見ている。
車が走り出す間際――。
大将の奥さんが少し顔を上げて、お母さんに向かって軽く頭を下げた。
それは一瞬のことだったから、あたしには大将の奥さんの顔がよく見えなかったけれど……。
「あの人……っ」
お母さんには、奥さんの顔がはっきりと見えたんだろう。
そして、奥さんのことを知っていたのだろう。