―Destiny―


昼休みの生徒指導室。

他の先生方の手前、僕は村岡を別室へと連れて行った。



「……最近、元気ないな」



二人分のコーヒーを淹れながら、僕は村岡に問う。



「なにかあったのか?」


「…………」



元気のない理由が何なのか、おおよその察しはついていた。

ある人から、その前兆となる出来事を聞いていたから……――。



黙りこくった村岡を前に、僕はある人の話を思い出していた。



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