鈴音
 俺が言葉を発してから数十分経ち、森里さんもだいぶ落ち着きを取り戻したようだ。

「ありがとう…!」

森里さんは精一杯の笑みをつくった。

森里さんを安心させるため自分の胸に抱き寄せたかったが、そんなことはできるはずがない。


どうして泣いたのか、そしてなぜ俺に謝ったのかということを考えた。


考えることに夢中で何も喋らなかったため、少しばかりの沈黙が続く。
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