切なさに似て…
倉庫の傍らで戯れている、結城さんと白崎さん。

昨日よりも親しくなった2人に気づかないフリをして、裏の通用口に回る。


ドアに手を伸ばした時、ガチャッと勢い良く開いた扉から出て来た、天野さんがびっくりした顔をした。

「おっとーっ。おはよう」

「おはようございます」


早くも営業スマイルを作る私に笑いかける。

「今日はすっきりした顔してるね。昨日は彼氏と…」

「だーから、違いますって!」

天野さんの続くであろう言葉を遮り、手の平をヒラヒラ振る。


「今日はお局いないから、楽だろ?」

「あ、そっか。いないんでしたっけ」

「だから、あいつら早くからじゃれてんだよ」

そう言って、天野さんが指を差した方向からは、楽しそうな2人の笑い声がここまで届く。
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