切なさに似て…
どんなに泣いたって、手に入らない。

泣いたって無駄だって、わかってるのに。

どうして、こんなに泣けるんだろう。

次から次へと溢れて来て、泣きたくなんてないのに。

何で、涙が出るんだろう。

──無理して広げようとすんなよ、このまま狭い世界にいればいいだろ。


一緒にいられるなら、友達のままでいたかっただけ。

私が欲しかったのは…、たった一つだけ。

それには、信浩がいなかったら意味ないんだよ。


──そんなにあの死んだ奴が好きだったのか?


違うよ…。


──伊達にお前と友達やってないつーの。


違う…。

友達じゃないよ…。


ずっと、好きだった。

…って、いつになったら言わせてくれるの。


いつ、言えば良かったの。


──いつになったら…、俺のこと好きになってくれるんだよ…?

ずっと…、好きだったよ。


好きだったから、…言えなかったんだよ。

好きだったから、逃げ回って。

好きだったから、気付かないフリして。演技続けたんだよ。


このままずっと一緒にいられるって。

全部、…好きだったからだよ。


…ねぇ?なんで?

私の言い分は聞いてくれないの?
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