切なさに似て…
開きっぱなしの携帯電話が、たまに光を放ち着信を知らせる。

それが信浩だったら迷わず出ている。明らかに違うのがわかるから、相手が諦めるまで着信メロディは鳴らさせておく。


誰からの着信だったのかなんて、いちいち確認しないでいた。

誰とも話したくないし、誰からなんて。…どうでもいい。


信浩じゃないなら、全てが無意味に等しい。


これで最後。

これで終わり。


あまりに呆気なさすぎて、現実逃避したくなる。


こんな簡単に終幕するんだったら、あんな選択肢用意しなかったのに。どのみち終わりが来るなら、もっと早くさらけ出してたのに。

“愛情”どころか“友情”すら長く続かないなら、何を“永遠”と呼べばいいの。


受け入れられないのは、一番大切な人だったからなの?

誰に聞けば答えが出せるの?

これで終わりなの?


サヨナラ無しに終わりが来ることってあるの?


…本当に、最後なの?
< 223 / 388 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop