切なさに似て…
スピードを上げ、ホームから距離をあける車内の中。

想いを詰め込み空港へと近づく。


搭乗手続きを済ませ、ゲートへと足を踏み入れる。

さっちゃんのおかげで間に合ったとはいえ、胸の奥は複雑な心境が取り混ぜられた。


本当に信頼できる友達は、少なくてもいい。

理解なんてされなくたっていい。


わかってくれる友達が私には2人もいる。

それでいいんだよね?十分過ぎるよ。


治、麻矢。ありがと。ごめん。

これが終わったら、またみんなで騒げる日が来るかな…。


誕生日にはチョコレートとショコラのショートケーキ1つずつ、昔みたいに届けに来て欲しいな。

そうしたら、信浩と2人で半分ずつ仲良く分け合って食べるよ。


信浩に会ったら、きちんと全てを伝えるから、それまでがんばれって応援してて。

人生初の頑張りだから。だから帰っても、冷やかしは無しね。

ねぇ、信浩…。

上手く伝えられないかも知れないけど、聞いて欲しい話しがあるよ。


「今更かよ」

って、いつもみたいに笑い飛ばして…。

じゃないと、今にも息が詰まって、切なさで胸が壊れてしまいそうだから────。




[第一部 2009.5.25 End.]
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