切なさに似て…
荒れ狂う悪天候で、暴れ回る真っ白い視界に微かに映るオレンジ色の街灯。

何処が道なのか、すでに見極め不能となった吹き溜まりと化した歩道を、道なりに脇目も振らず歩く。

いくらブーツを履いていたってこれじゃあ何の役にも立たない。

冷たいとか、寒いとか。そんな次元の低い話しなんてのを通り越していた。


鼻と口から空気を吸うのも困難で、首元のマフラーを鼻筋まで巻いた。

睫毛に雪が張り付き、目すら開けていられなくなり、ギュッと暝った瞼の奥の映像。


濃紺のブレザーに、紺色系色のタータンチェック柄のスカートとズボン。

白いブラウスに、スカートと同柄のネクタイを締め、コートを羽織って…。


手を繋いで校門をくぐり抜け、まるで私たちはカップルです。と、見せ付けるかのような、いつかの2人の後ろ姿が飛び込んだ。



学校を出た時に、それを見てしまったあと、私はどうしたんだっけ。

確か…。泣きは、しなかった。…多分。


悲しかったのか、淋しかったのかどうかは覚えていない。

覚えているのは、ただ…、寒かったことくらい。


あの時も、こんな風に天気の悪い日だった。

信じたくない事実を目の当たりにして、私はその場所から一歩も動けずいた。


容赦なく体当たりしてくる突風に耐えながら、雪の向こうに消えていった2人をぼんやりと眺め。

頭に積もった雪を振り払ったのは、恐らく何十分も時が過ぎた後。

校門のコンクリートの塀の上には、誰かが作ったのか手の平サイズの雪だるまが哀れに見えた。


—ねぇ…?なんで?


その雪だるまと同じで無様な姿で立ち尽くす私がいた。


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