散弾銃プレアデス
「…あぁ」
安原は短く答えて、同じように敬礼を返す。
すばるが、それを見てとても満足そうに笑った。
安原は紅茶を一口含み、自分のカップを手に立ち上がった。
高い背丈。座る自分との差が、すばるには少し不思議だった。
次の瞬間、すばるは頭に触れる大きな手の感触に気付く。
「隊長…?」
に、と口角を上げて手を離す安原の表情。あまり見せない、いたずらっ子のような笑顔。
思わず硬直し、目を丸くするすばるがやっと気付く。
頭の上に乗せられた2つの包みにすばるが手を伸ばすのを、安原は嬉しそうに見てからキッチンへと引っ込んだ。
すばるの手のひらの上には、アルファベットが刻まれた小さなチョコレートが行儀よく座っている。
「勲章だ」
すばるが振り向くと、安原が軽く壁にもたれて自分を見つめていた。
チョコレートの入った袋を手にし、安原は優しげに微笑んでいる。