僕は彼女の事を二度愛していた
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どうして、僕はこんなに運が悪いのだろう。
毎朝会うはずの彼女が、今日に限って見当たらない。
「おかしいな。いつもなら、この時間必ず見かけるのに。」
少しでも加藤の事を知りたかった。じゃないと、本当に部長になんて答えていいか、わからない。なんでもいい、情報が欲しかった。
乗り換えなければいけない電車は、とっくに行ってしまった。
それでも僕は、彼女を待ち続けるつもりだった。
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