僕は彼女の事を二度愛していた
「先輩、何しているんですか?」
軽く背筋が凍った。まさか、声をかけられるなんて、考えもしていなかった。
「うわわ・・・。」
振り返ると女がいた。同じ部署の恵だ。
「恵さんか・・・。脅かすなよ。」
「だって、先輩が会社に行く様子もなく、ずっとキョロキョロしているじゃないですか。メグメグじゃなくても、誰だって気になりますよ。」
「ずっとって・・・いつから見てたの?」
「先輩がここに立った時から、ずっとですよ。メグメグ、はじめ見かけた時に声かけようと思ったんですけど、電車に乗るでもなく、なんかキョロキョロしているじゃないですか。それで気になって、ずっと見てたんです。」
呆れた。この時間なら、もう確実に遅刻だ。それをいっさい気にしない。さすが、メグメグだ。
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