僕は彼女の事を二度愛していた
5
駅を出た。
彼女のヒールから、リズムが聞こえなくなった。代わりに突然降り出した雨の音が、僕達を包んだ。
彼女はかけ出した。きっと傘を持っていなかったのだろう。バックを頭にやり、雨を防ごうとしている。
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