僕は彼女の事を二度愛していた
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僕は釘を刺すことにした。会社の休憩室にいたメグメグを呼び出した。
「恵さん、ちょっといい?」
「はい、先輩。なんですか?」
僕に声をかけられたメグメグは、なぜかうれしそうだ。今朝の事を、気にしていないのだろうか。
その素直な表情を見ると、少しだけ決心がにぶる。
「あ、あのさ・・・。」
言葉にキレがなくなっている。彼女ほどじゃないにしても、メグメグもそれなりにかわいい。彼女の事がなければ、きっと今朝のような事はうれしかったはずだ。
「はい・・・。あ、その前に先輩・・・今朝は・・・ごめんなさい・・・。メグメグ、もうしませんから。だから、許して下さいね。」
先手を越された。でも、もうしないと言うのだから大丈夫だろう。僕はそう思っていた。
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