僕は彼女の事を二度愛していた
でも、忘れてはいけない。そう思う自分がいるのも事実だった。
(私も、人殺し。)
どんな理由があろうと、それは変わらない。
望は、それを祖母に伝えようとした。しかし、祖母は望の口を軽く指で押さえた。
「何も言わなくていい。全部、全部、わかっている。おばあちゃんは、全部わかっているんだよ。つらかったね、哀しかったね。でも、もうそんな事は気にしなくていい。ただ、ただ、おばあちゃんの側に、ずっと、ずっといてくれればいい。」
心が光に包まれる。
「ねぇ、おばあちゃん。久しぶりに子守歌歌って。」
「あぁ、わかった。」
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