僕は彼女の事を二度愛していた
駅ですれ違う時の彼女の顔が、はっきりと思い出される。でも、それしか思い出す事は出来ない。
そんな僕に比べて、加藤はこれからたくさんの彼女を知る事になるのだ。彼女の表情、手の平のぬくもり、彼女の香り、僕の知らない彼女の事をどんどん知っていくのだ。
哀しくて、悔しくて、やりきれなかった。
涙が出て来た。止まらなくなった。
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