勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
水瓶が紫衣の涙で形を変えた。
やはり紫衣は、俺を導いてくれる娘。
俺の手を引き一緒に行こうと泣いてくれる心優しき娘。
俺の心をあたためてくれる愛しい娘。
俺は迷い続け、待ち続けた途方に暮れるほど長い時間で不思議な力が備わった。
水瓶を覗くと俺の死んだ後の世界が見えるようになったのだ。
突然俺のそばに現れた水瓶。
俺はその不思議な水瓶を夢中で覗き込んだ。
死後の世界は俺の思い描いた世界とはかけ離れた世界だった。
最も恐れていた徳川の天下が水瓶の水面には鮮明に映し出されていた。
止めたかった。
守りたかった。
でも、俺は時代の流れに飲まれただけだった。
むしろ知らずに悲劇への引き金を俺自身がひいたのだ。