勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
「紫衣、みんなの前で泣いていいんだよ。
我慢しなくていいんだよ。
優しくなんてしてやる必要ないんだよ。
アンタが一番つらいんだから…
ひとりで泣くなんて優しい気持ち持たなくていいんだよ。」
芽衣ちゃんの胸に頭を抱え込まれる私に響く篭もった声。
我慢していた涙が一気に解放された。
それと同時に聞きたくなったんだ。
どうして他の人を見ちゃったのか
私のダメなところも聞きたくなったんだ。
芽衣ちゃんの胸の中から顔を上げて良君に視線を向けた。
涙は止まらなかったけどなんとか笑顔を作ったんだ。