勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
さかのぼること10日前。
正澄様の膳を運んで食事のお世話で部屋に控えていた。
いつもは左近さんの膳を運び、そのまま一緒に頂くけれど左近さんは前日から奥様のご実家に帰っていて不在だった。
本来は正澄様の膳は奥さんのゆきさんが運ぶ事になっていたけど、体調がすぐれないと言う理由でその日は仕事場に来ていたなかった。
仕事場の女の人は、こんな時正澄様のところへ行くのは必ず朱理さんでないといけないと言っていた。
だけど、その朱理さんも不在。
左近様に三成からの急ぎの書状を届けるために出掛けていた。
「紫衣だったら大丈夫じゃない?」
ヒソヒソと囁き合う声がした後、一人の女の人の声で私が向かうことになった。
意味がわからない私は何も考えずに正澄様の部屋に向かったんだ。
だけど、それが良くなかった。