勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
失礼しますと襖の前で一礼して襖を静かに開けると目の前には鮮やかな着物。
さっきの失礼な女!!
「もういいよ、下がって。」
部屋に一歩も入ることなく私の手から膳は奪い取られた。
呆気に取られるしかなかった。
だから素直に従ったんだ。
「はい、それでは失礼します。」
部屋に背中を向けた私に彼女の笑い声が聞こえる。
なんなんだろう....。
無性に腹が立つ。
結局先回りされて私はキチンと仕事さえさせてもらえない。
いったいなんなの?
悔しさからか涙が溢れてきた。
それだけじゃないのは自分でもわかっている。
三成に逢えることをとても嬉しく思っていたんだ。
だけど彼女の存在が私を彼に近付くことも許してくれない。
彼には大切にされているのだろうか...。
彼女は彼の側にずっといて彼のお世話をしている人なのだろう。
それもショックだった。
やっぱり彼の側に私がいることは叶わない夢。
好きなのに...。
好きになってしまったのに...。
感情を押し込めることは私の得意中の得意な分野。
それなのに涙が溢れて止まらない。
仕事を取られたから?
バカにされたから?
それだけの感情で涙が溢れてるんだ。
そういう事にしておきたい。
三成と並んでも見劣りしないくらいの美女。
とても綺麗な二人を見てショックを受けたなんて...
そんなことで泣いているんじゃない!!