勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
寵姫様???
寵姫様って....
「寵姫様って何ですか?」
「お前それ真剣に聞いてる?」
「あ、いえ..寵姫様の意味は知ってるつもりです。でも.....」
「確かにお前にはふさわしくない言葉かも知れんな。」
意地悪そうな表情のまま話す紅葉さんにおろおろと落ち着かない私。
「殿はお前が気に入ったんだよ。こんな女じゃなくても殿ならもっと他に選びたい放題なのに俺だって不思議だよ。」
意地悪な紅葉さんの言葉。
少し悔しい。
だけど当たっているだけに私は反論する言葉はなかった。
「せっかく俺が完璧な女を演じて殿に悪い虫がつかないようにしていたのに台無しだよ!!」
溜息を零して寝そべってしまう紅葉さんをじっと見つめたまま私は動けなかった。
彼の言葉は私の心をグサグサと容赦なくついてくる。
こんなときでもやっぱり私は泣き虫で、涙を堪えることしか出来なかった。
「いい加減におし!!紅葉。」
気配なく現れたのは朱里さんだった。
襖が開いたことも気付かなかった。
気がつけば彼女は紅葉さんの側に座っていて彼の頭を叩いて言葉をかけていた。