勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
「これは殿のお考え通りで大丈夫そうですね。」
「ふむ。」
顔を赤くして俯く私に掛けられたのは信じられない言葉だった。
三成と左近さんは何かに納得するように会話を進める。
そして会話を終えると私と紅葉さんに言ったんだ。
「紅葉はこれから大阪で紫衣つきの侍女として過ごすように。」
「えっ?」
「はっ?」
その言葉をすぐには理解できなかった。
私の侍女?
紅葉さんが?
「お待ち下さい。どういうことですか?これからは隆吉として殿のお側に仕えさせてもらえるのではないのですか?」
紅葉さんの悲痛な声が響いた。
その気持ちとってもわかる。
紅葉さんは三成の為に仕えてきた人。
私なんかに仕えるなんて嫌に決まってる。
というか、もったいない。
彼の側で彼を守るのが紅葉さんの役目でしょう?
「そうです。紅葉さんは三成様の側近ではないですか。私の侍女になど無理な話です。
紅葉さんがとても気の毒です。」
彼の気持ちになって三成に言った。
そんな私をため息混じりに見つめるのは左近さん。
ごめんなさい。
やっぱり私は姫らしくはなれません。
すぐに逆らってしまう...。
どうしても素直に従えない。
左近さんにまた迷惑をかけてしまうのかと考えると瞳にゆらゆらと涙が揺れていた。