勝利の女神になりたいのッ!~第1部~





「ありがとう...紫衣。俺を支えてくれてありがとう。」



掛けられた言葉は優しい言葉。


何もしていない、何も出来なかった私に向けられたお兄ちゃんからの感謝の言葉。



「なにも...。」


「俺はずっと孤独だった。後悔と恨みだけで作られていた俺を紫衣の心が救ってくれた。囚われていたんだ、自分の思いに囚われて動けなかった俺を溶かしてくれたのは紫衣なんだよ。」


「もう、紫衣をおいていかないで。ずっとお兄ちゃんの側にいたいよ。」


「それは出来ない。だけど紫衣はもう見つけたんだろう?」


「お兄ちゃんも一緒に...。」


「俺は、ずっと側にいる。紫衣はもう一人じゃないだろ?」





ボロボロと流れ落ちる涙を掬い取るようにしてお兄ちゃんの唇が私の頬に触れ、最後に額に触れた後お兄ちゃんの抱きしめられた。




「紫衣、逢えて嬉しかったよ。」


「行かないで!!イヤー!!」




お兄ちゃんの姿が薄くなっいく...。


消えないで...。


おいていかないで...。


独りにしないでよー!!



悲鳴を上げて私は霞んでいく記憶の中、必死にお兄ちゃんを呼んだ。



































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