勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
厄介だなんて言葉を言われた今、すんなり身を引くのが三成の為になることはわかっている。
だけど、どんなに惨めでも彼の側から離れるなんて考えられないよ。
愛してもらえなくても愛していきたい。
求められなくても、愛することはやめられない。
「一体なんの話をしているのだ?」
困惑の表情を浮かべて彼は私に言葉をかけた。
「厄介者かもしれませんがお側を離れたくはありません。
何でもします。
使用人としてでもあなたのお側に……」
「待て!使用人などと、厄介者などと誰がいったのだ!」
「それは…。」
「誰なのだ!紫衣にそのような無礼な口を叩く奴は!」
って………………
「え?」
「なんだ?」
「あの…さっき三成様が厄介だと………。」
「?……………。」
なに?
なにか違うよ?
話が食い違ってる?
というか私と三成は全く話が噛み合ってなかったの?!
「紫衣、勘違いをさせてすまぬ。」
神妙な面持ちで私に言葉をかける三成。
「勘違い?…ですか?」
「そうだ。」
じゃあいったい厄介なのは誰?
厄介ってなんのこと?