勝利の女神になりたいのッ!~第1部~


厄介だなんて言葉を言われた今、すんなり身を引くのが三成の為になることはわかっている。


だけど、どんなに惨めでも彼の側から離れるなんて考えられないよ。


愛してもらえなくても愛していきたい。


求められなくても、愛することはやめられない。

「一体なんの話をしているのだ?」


困惑の表情を浮かべて彼は私に言葉をかけた。


「厄介者かもしれませんがお側を離れたくはありません。
何でもします。
使用人としてでもあなたのお側に……」


「待て!使用人などと、厄介者などと誰がいったのだ!」


「それは…。」


「誰なのだ!紫衣にそのような無礼な口を叩く奴は!」



って………………


「え?」


「なんだ?」


「あの…さっき三成様が厄介だと………。」


「?……………。」



なに?

なにか違うよ?

話が食い違ってる?

というか私と三成は全く話が噛み合ってなかったの?!



「紫衣、勘違いをさせてすまぬ。」


神妙な面持ちで私に言葉をかける三成。


「勘違い?…ですか?」


「そうだ。」



じゃあいったい厄介なのは誰?

厄介ってなんのこと?





< 548 / 681 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop