勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
左近さんのお屋敷に連れられて私はその大きさにただ驚くばかりだった。
でも人がいない...。
「左近さんはこんな大きなお屋敷に独りで住んでいるんですか?」
部屋に入ってすぐに私は左近さんに尋ねた。
「そうさ。俺は人と一緒に暮らすのがどうも苦手でな、独りは気楽でいい。」
豪快に笑いながら話す左近さん。
「寂しくはないのですか?私は独りぼっちは寂しいです。」
思わずポロリと零れた言葉。
独りぼっちは寂しい...。
私はここで独りぼっちだもの。
「今日からは紫衣がいる。紫衣にも俺がいる。お互い独りぼっちではないだろう?」
微笑みながら話してくれる左近さんはとてもあたたかい。
私も満面の笑みを浮かべて頷いた。
「俺はなんていったって紫衣の父親になったのだからな。」
そう言いながら私の頭をクシャリと撫でつける左近さん。
大きな掌のぬくもりに私の瞳から涙が零れた。
一人じゃないんだ。
そう思えてとても安心できた。