平安物語=短編集=【完】



その翌日、姉妹は退出しました。

難なく済ませて皆がほっと一息ついていると、今度は左大臣がやって来て、また女房達が席を整え始めました。

几帳越しにお会いすると、いつも冷静沈着で感情を表に出さない弟が、その日は動揺し複雑そうな表情をしていました。


「突然のお越し、いかがなさいました?」

私が訊いても、「はい…」とだけ言って口ごもっています。

何かおかしいと、嫌な予感がしました。



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