平安物語=短編集=【完】
―それから数ヶ月して、大君が賑々しく入内しました。
頂かれた御殿は、登香殿です。
それからというもの、帝の登香殿女御へのご寵愛ぶりは目覚ましいものでした。
私のことも、身分相応に大切にはしてくださいますが、お心は登香殿女御だけにあるというのは周知の事実でした。
幾度と無く、恥ずかしく情けない思いをしながらも、気に病んでいるなんて人に悟られないように取り繕っていました。
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