平安物語=短編集=【完】
乳母は出ていきました。
中将様にお詫びを言いに行ったのでしょう。
大輔は、私の方へやって来ます。
「本当に、姫様はおモテになるから…。」
そう言いながらクスクスと笑っています。
「全く良い迷惑というものです。」
溜め息をつきながら言うと、
「姫様は普段はとても鷹揚でいらっしゃるけど、殿方の求婚となるとまるで別人ですね。
無理もありませんが、幸せの可能性もあるのですよ?」
そう言いながら、お腹を愛おしそうに撫でました。
大輔は、まだ全然目立たないけれど、夫との間に子ができたのです。