平安物語=短編集=【完】
若女房が下がった後、乳母と大輔がやって来ました。
「後朝のお手紙を突き返したそうですね。
全く、どういうことかと思われてしまいますわ。」
「道理を通したまでです。」
さらっと言い返すと、乳母は溜め息をついて
「たとえ姫様が清らかな仲を強調しても、世間はそうは見てくれません。
それなのに後朝のお手紙を突き返したりしては、中将様のお立場が無いではありませんか。」
と至極真っ当な事を言われました。