平安物語=短編集=【完】
部屋に戻った時には、義道様がもう待ってくださっていました。
私が来たのを見て、義道様のお相手をしていた女房達は席を外します。
「義道様…」
甘えた気分ですり寄ると、にっこりと微笑んで痛いくらいに抱き締められました。
「義道様。
昨日のお話なのですが、お気持ちは今も変わっていらっしゃらないのですか?」
おずおずと訊くと、
「もちろんですよ。
お心は固まったのですか?」
と嬉しそうなお顔をなさいます。
コクリと頷いて笑顔を見せると、義道様は声にならない歓声を挙げて再び私を抱き締めました。
私も義道様の背に手を回して、幸せに浸っておりました。