平安物語=短編集=【完】



いつものように、私を訪ねてくつろぐ中納言様。

私を抱き寄せようとする腕を逃れて、対峙しました。


「大輔…?」

「中納言様…

もう、これきりに致しましょう。」


サッと、中納言様の血の気が引きました。


「そんな馬鹿な…

こんなに愛しているのに?

こんなに誠実な男、他にいませんよ?

一体どうして…」



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