平安物語=短編集=【完】



私は…生まれた時から、東宮様に入内し中宮となるべき者として育てられてきました。

それは厳しく、ありとあらゆる事を教え込まれて参ったのです。

父左大臣の政敵である右大臣家にも、私より一歳上の姫君がいらっしゃって、よくその方と比較されました。

私はそんなに強くはなくて、この運命と人生を投げ出したいと思ったことは数え切れません…。



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