平安物語=短編集=【完】



―…十五歳になり、人より遅めの裳着を済ませました。

翌年、東宮様が御元服なさるのを待って入内することになっていました。


入内が近づいたからといって特に嬉しい訳でもなく、淡々としておりました。

ただ、妹と離れ離れになる事だけが寂しく辛く感じていました。



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