平安物語=短編集=【完】



こっそりと渡殿を渡りきってふと顔を上げると、少し先になんと一人の殿方が立っていらっしゃいました。

その方もまた月を見上げていらして、私にはまだ気づいていらっしゃいません。


しかし私からは、その方のお顔がはっきりと見えました。

月の光に照らされた、なんとなく物憂げで切なげな、美しいお顔が…



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