平安物語=短編集=【完】



翌朝未明に、宮様と中宮様はお帰りになります。


「宮もまだ眠っているし、こんな時くらいはゆっくりなさい。」

と帝が仰せになりますが、中宮様は

「そうは参りませんでしょう。

また、今度に。」

と仰います。

中宮様は、今や並ぶ方無き御威勢でいらっしゃるのに、あくまで謙虚でいらっしゃるのです。


帝はなおも残念がっていらっしゃいましたが、私が宮様をお抱きして弘徽殿へと帰りました。



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