平安物語=短編集=【完】
―…そうして、生まれた時から定められていた私の運命は一気に変わったのです。
ただただ呆然とするばかりで、乳母も妹も、父上でさえも、困惑を隠しきれないまま入内の支度が進められました。
世間でも大きな噂になって、様々な憶測が飛び交うのを苦々しい想いで聞いていました。
そんな中、ただ母上お一人だけが、逆らえない勢いを甘んじて受け入れて、平生のごとくおっとりとしていらっしゃいました。