平安物語=短編集=【完】



お産が済んで、姫宮との対面も果たさず寝入ってしまいました。


目を覚ますと、姉上と母上が側についていてくださっていました。


「目が覚めましたか。
ご気分はいかがです?」

母上がそうお尋ねになりました。

「まだ疲れていますが、元気です。」

「そう、良かった。
姫宮は別室にいらっしゃいます。
笑ってしまうくらいあなたに似ていらっしゃいますよ。
こちらにお連れしましょうか?」

「まあ……はい、ぜひ。」

にっこりと微笑んで、母上はお立ちになりました。


母上が出て行かれた後、

「本当におめでとう。
拍子抜けするくらい安産でしたわね。」

と、笑いながら姉上が仰いました。

「私も、まさかこんなに楽なものだとは。
ところで、お姉様。
…父上は?」



< 463 / 757 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop