平安物語=短編集=【完】
お産が済んで、姫宮との対面も果たさず寝入ってしまいました。
目を覚ますと、姉上と母上が側についていてくださっていました。
「目が覚めましたか。
ご気分はいかがです?」
母上がそうお尋ねになりました。
「まだ疲れていますが、元気です。」
「そう、良かった。
姫宮は別室にいらっしゃいます。
笑ってしまうくらいあなたに似ていらっしゃいますよ。
こちらにお連れしましょうか?」
「まあ……はい、ぜひ。」
にっこりと微笑んで、母上はお立ちになりました。
母上が出て行かれた後、
「本当におめでとう。
拍子抜けするくらい安産でしたわね。」
と、笑いながら姉上が仰いました。
「私も、まさかこんなに楽なものだとは。
ところで、お姉様。
…父上は?」