平安物語=短編集=【完】
「女御、こんばんは。」
いつもの優しい笑顔を向けられて、いつになく心が温かくなるのを感じました。
「なんだか、今日は一段と美しいですね。
一日のうちに何かあったのですか?」
――着飾ったからかしら?
それとも帝への想いに気付いたから?
すごく嬉しいお言葉に、
「さあ…それでは、嫉妬は女人を綺麗にするということなのでしょうか…」
と、軽く恨み言を言って帝の胸にすり寄りました。